こんにちは!
アスレティックトレーナー・鍼灸師の久保太吾です。
母のblog「Beとgohan」ですが、毎日欠かさず更新しています。
これだけ毎日継続してblogを書くのはほんまに凄いなと感じております。
その母の本日更新したblog「きりたんぽ鍋」にて羽生結弦選手の会見について書いていました。
それに絡めて自分の事もこのように書かれていました。
長男がスポーツ鍼灸師
きりたんぽ鍋 : Beとgohan (livedoor.blog)
捻挫してんのに、滑る
なんて有り得へんって
言うと思う
これを見た瞬間思った事…
違う違う
そうじゃ
そうじゃなーい!!
確かに捻挫してる状況で滑るのは危険やけど、何でもかんでもアカンって言うわけじゃないって💦💦
その事を今日はお伝えします。
本来は「有り得ん状況」
今回の羽生選手は前日練習で4回転アクセル(4A)の練習中、着地の際に右足を捻挫したとの事でした。
羽生選手は以前にも足首のケガをしてたはず。
それも1度だけではなく何度も何度も。
その会見を聞き、相当キツイ状況だったのではないかと思います。
本番中もほとんど右足の感覚が無かったと演技終了後の会見で聞きました。
だから本来は母の言う通り「有り得へん」状況なんです。
それだけ足首が言う事を聞かない中で滑るのは危険な事です。
※参考blog👇👇
状況が違う「人生を賭ける試合への想い」
ただ、今回は状況が違うんです。
これは完全に自分の見解ですが…
今回の羽生選手は「北京五輪で4Aを飛んで3連覇する」ことを目標に進んできていたと思っています。
4Aにこだわりを持ち、さらに進んできた。
要は「この大会に全てを賭けてきた」状況です。
4年に1度のオリンピックで他の選手もチャレンジが出来ない「3連覇」が掛かっている大会です。
なので完全に動けなかったり、脳震盪などで命に関わるような事が無い限り多少無理しても出場してたのではないかと思います。
今回の右足首の捻挫は感覚がほとんどないくらいだったのでただの捻挫ではなくかなり重い症状だったのではないかと思います。
ただ、出場して4Aを飛び3連覇したいというかなり強い気持ちがあったはず。
そんな思いがある中で「捻挫してるのに滑るなんて有り得へん」と言えるわけがありません。
むしろ、出場に向けて選手と共に少しでもベストコンディションに近づけていく。
それこそがトレーナーとしての務めじゃないかなって思っています。
今回は「例外」
ただ、あくまで今回の状況は世界最大のスポーツの祭典であるオリンピックやからこその例外なんです。
しかも羽生選手に関してはその大会の3連覇がかかっている大会ですから例外中の例外のケースなんです。
これが何でもない大会であったり将来に関わる年齢とかであれば話が変わってきます。
ケガしたら「しっかり治してからプレーするが基本」です。
普段から身体を傷めているのに無理して練習に参加し、試合にも出場する。
これが一番危険な状況ですし、そうなった時は指導者やトレーナーは絶対ストップをさせなければいけないと思っています。
常に身体のどこかしらに痛みを抱えている状況でプレーしている。
こうなってしまうとベストパフォーマンスを出すことが出来ないですし、今後のパフォーマンスアップにも繋がらないと思ってますし、プレーそのものにも影響が出て来ると感じています。
ジュニア期である小学生や中学生の頃から慢性的な痛みがある状況でプレーさせることに物凄く大きな問題があると感じていますし、高校生大学生と身体が成熟していくにつれてもしっかり治さないと取り返しのつかない事になります。
だからこそ本来はしっかり治すまでプレーさせるべきではないですし、指導者もトレーナーも止めるべきなんです。
それやのに普段から無理してプレーさせてる文化がどないやねん!?って自分はいつも思っています。
トレーナーの自分が思った事
本来なら「捻挫して滑るのは有り得へん」状況です。
それは母の言う通り。
ただ、自分の賭けている大会に出るか出られへんかという状況なら話は別です。
何でもかんでも止めさせるのがトレーナーではない。
行ける時はGOサインを、アカン時はSTOPを。
その時の選手の状況、想い、賭ける試合に向けて判断していく。
それこそがトレーナーの務めだと思っています。
そう言った意味でも今回は「捻挫して滑るのは有り得へん」なんて全く思っていません。
むしろ最後まで良く滑り切ったなと思いましたし、4Aにもチャレンジし感動しました。
そこにはドクターやトレーナーの難しい判断が色々あったと思います。
自分自身も色んな状況を踏まえて良い判断が出来るよう努めていきます。
ではこの辺で…
ほな✋
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